がに股?
久し振りでスウィングをヴィデオ・チェックしました。どうもショットが安定しないと思ったら、頭が横移動しています。トップまでは非常にいいのですが、ダウンスウィングで下半身が左へ横移動するに連れ一緒に移動してしまうのです。これではスウィングの弧の最低点が動いてしまい、スクウェアに打てるのはまぐれという確率になります。
横移動は本来下半身主導の筈なのです。上半身も一緒に動いちゃいけません。鏡を見て素振りしつつ、頭を残して下半身をリードさせる手だてを探りました。「腰をスライドさせるのでなく、廻す」というのが真っ先に思いつく案ですが、Ben Hoganを研究したDavid Leadbetter(デイヴィッド・レッドベター)は「Hogan自身は腰の左への回転でダウン・スウィングを開始すると思いたがっていた。しかし、実際にそれを実行するとあまりにも急角度のダウン・スウィングでアウトサイド・インになってしまう。Hoganは先ず水平に左へシフトし、両腕が下り始めてから上半身全体を猛スピードで回転させている」と云っています。ですから、水平移動がダウンスウィングの初めであることは間違いありません。
頭を動かさず、下半身だけ水平移動する。これは難問です。しかし、あるグラフィック・イメージが浮かび上がって来ました。Sam Snead(サム・スニード)のダウンスウィングの開始の写真です。いつも、この瞬間のSam Sneadの姿勢は不思議でした。“流れるようなスウィング”と形容される彼にしては、この一瞬のガニマタだけあまり格好良く無いのです。しかし、これこそ私が欲しがっていた解答でしょう。ダウンスウィングの開始は、右に寄っている左膝をターゲット方向に戻す。一瞬ガニマタにする。これなら頭が水平移動することはありません。Sam Sneadが「よく解ったね」とニコニコしているのが見えるようです。
Harvey Penick(ハーヴィー・ピーニック)の'Little Green Video'で、彼が"Magic Move"と呼ぶテクニックをBen Crenshaw(ベン・クレンショー)が実演しています。「レイト・ヒット、レイト・アンコックの極意である"Magic Move"とは、ダウンスウィングの開始で左膝を目標方向に移動させる時、同時に右肘を身体に引きつける、これを一挙動でやる(二挙動では駄目)」というものです。Ben Crenshawはテイクアウェイで左足を上げるので、ダウンではそれを下ろしつつ左膝を戻しています。
間違いありません。これが求めていた答えです。これまで、腰を水平移動させて“下半身主導”のスウィングを実施して来たのですが、これからは左膝を戻すのをキッカケとします。